2014年2月13日

短歌メモ 『冬時間』

『現実逃避』
星座の香りを詰め込んだ瓶を逆さにしたら空を飛べるだろうか

誰からも見えない電磁波の壁を 明け方だけそっと越えて行く

いつかの私は自ら溺れてた 横文字とネットの海の中で...

ハッシュタグの海を揺れる火曜日の4時を掴み損ねたゆびさき

大人になることを拒んでるみたいに成就しかけた夢から逃げた


『ゴーストライター』
雪闇の淡いひかりに救われる 嘘で塗られた音楽も君も


『幽霊』

歌もなく音も途切れた寝室にゆらゆら彷徨う人影を追う



『ソウルメイト』
知っている... 彼の「いつか会おう」と「サヨナラ」が同義語だったことなど...

不意に立ち込める白薔薇の香りは 古代のシリアから吹いている



『コーヒーブレイク』
コーヒーを口に含むそのたびに私が終わる瞬間が好き


『香り』
冬バラの消えぬ残り香を温めて 別人を演じる静かな夜


『4時』
アラビアの笛の音に導かれるまま死んだように四時を越えて行く


『雪の前夜』
豪雪の前触れの静けさの中で聖火の如く蜜柑を灯す



『途方に暮れる』
砂丘の真ん中で道を失った駱駝のように雪道を行く





※Twitterの非公式アカウント上で綴った短歌をまとめました。


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